モロッコ:国王即位記念日:国王スピーチ:ムハンマド六世、政治エリートへ呼びかけ
モロッコ:国王即位記念日:国王スピーチ:ムハンマド六世、政治エリートへ呼びかけ

ラバト:7月30日の即位記念日にあたり、国王ムハンマド六世は、政治的要職にある者たちに対して、責任を真摯に果たすか、そうでなければ職務を離れるよう求めた。

国王はスピーチの中で、発展のための政策や各種プロジェクトを十分に遂行していないと政治家や官僚らを強く批判した。

「モロッコにおける政治や発展の分野でのこれまでの変革は、モロッコ国民の真の希望や課題を鑑みるとき、政党、指導者、そして政府関係者に対して肯定的な反応を生み出していない」と国王は述べた。

国王は、変革が進行しているにもかかわらず「メンタリティーが変化していない」点を強調した。

国王にとって最も嘆かわしいと思われた点は、政治的要職にある者や官僚の態度で、彼らは国や国民の利益のために奉仕することよりも自身のイメージに関心が向いている。

「結果が肯定的なものである時、政党、政治家、官僚は、政治的にもメディアへの露出の点でも競ってスポットライトを浴びたがる」と国王は述べた。

そしてメディアへの露出や政治的な勝利を得ることによって、政治家や政党は国民に奉仕するという最も重要な使命を忘れがちになり、北部のアル・ホセイマが危機に陥った時でさえも政党や政治家、官僚らの間で激しい競争が繰り広げられ、互いを非難し合っていると国王は述べた。

国王はこのようなライバル意識に落胆の意を表明した。「公的事業の遂行は、個人や政党の利益とは無関係でなければならない」と国王はのべ、「多くの関係者が、事態を悪化させることになっても祖国を犠牲にして、自らの政治的資本を維持・拡大しようとしてきた」と付け加えた。

さらに「事態が悪化しているときは、注目を集めるのとは正反対の態度、つまり宮廷の後ろに隠れ、すべての責任が宮廷にあるかのように、官僚や政治家は振る舞っている」と国王は述べた。

その結果、政治家が事態を解決できないために、市民は国王の方を向いている、と国王は述べた。以前、国王はスピーチの中で官僚を非難したことはあったが、今回のような厳しい批判的なスピーチは前例がない。

今回、国王は要職にある者たちに対して、二つの選択肢を提示した。本来の仕事を遂行するか、あるいは責任を果たせる者たちにその職を譲るかのいずれかである。

「関係者全員に告げたい。もう十分である。自らの祖国に対して行っていることについて、神を恐れなさい」と国王は述べた。そして「職務を完全に果たすか、あるいは公職から身を引きなさい。モロッコには多くのまっとうな男女がいる」と述べた。

「神、祖国、そして国王に対する責任を果たさないことは『裏切り』である」と国王は述べた。このような状況に直面して、自らの職務を放棄したり、職務から逃げたりすることはできないと国王は述べた。そして憲法第一条に明記されている、説明責任について「厳格に」適用されるべきであると述べた。

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